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ねコラム vol.6「さんぽセル」

連載「ねコラム」では、当協会 理事・会員の皆様からネーミングに関することをご紹介いただきます。

*月1回の配信。第6号は、当協会会員でコピーライターの坂本和加氏からの発信となります。

 

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さんぽセル

 

 話題の商品名は、なんと発案が9才。商品化までのサポートが21才の大学生という異例のチームと聞いて驚いた。ランドセルを、ひっぱって歩ける“ガラガラ”に変身させる棒状の商品は特許と聞いて二度驚いた。ネーミングも言わずもがな。ランドセル改め、さんぽセル。重たいランドセルを背負って学校までの道のりはさぞかしつらそうだが、さんぽセルなら勉強に行くのもルンルンである。まあでも、小学生にランドセル、というのは日本独自の文化であって当の本人たちが嬉しかったのはせいぜい入学当初ということだったのだろう。重たいコードバンを買い与えてしまったのは、親のエゴイズムだったかとショックを受けて三度驚いた次第である。

 

 

 

「うどん」「たわし」

 

 前述の「さんぽセル」を掘り下げて調べていくと、やはりファウンダーがいた。現在も予約に60万人待ち?!というヘッドマッサージ店がどうやらからんでいるらしい。なぜかはわからないが、このお店も不思議な名前のヒット商品を持っていた。「うどん」と「たわし」である。「うどん」は抱きつけるタイプの掛け布団で、「たわし」は安眠枕である。商標などどこ吹く風で、現在も販売数を伸ばしているらしい。ネーミングせずに、ヘッドマッサージ店が「なぜうどん?」「なぜたわし?」から、強烈なインパクトを残す戦略がかしこい。名付けない、潔さ。素敵な逆転の発想である。

 

 

さんぽセル

 

 

日本ネーミング協会 会員 

コピーライター 坂本和加