連載「ねコラム」では、当協会 理事・会員の皆様からネーミングに関することをご紹介いただきます。
記念すべき第1号は、当協会理事の岡田直也氏からの発信となります。
*月1回の配信。岡田直也氏には全3回の連載を担当いただきます。
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この世は、ネーミングに満ちあふれてる!
ぼくらはまず、生まれ落ちるとすぐに、親から名前をもらいます。
名前をつけてもらって、人生というものがスタートする。
考えてみればこの「名づけ」というもの、立派なネーミング、ということができますね。
親の願いを名前に込めるこの作業は、メーカーが送り出す新商品のそれを考えることと、
基本はあまり変わらないように思います(人とモノを同列に扱うな、と怒られそうですが)。
ぼくの場合、じぶんの子どもの名づけにも、ふだんの仕事の延長線上、という感覚で臨んだ覚えがあります。
切り口別に絞った10あまりの名前の案(とうぜん字画も調べてあります)を、
親にプレゼンテーションしましたからね。もう30数年も前のことだけれど・・・。
そしてさらに、ぼくらの多くは、死んでまた名前をもらうことになる。戒名、というやつですね。
もちろん、死とかに関係なく、クリスチャンネームやムスリム・ネームをもらう人もいますし、
いわゆるペンネームを本名がわりに使う人もいるわけです。
そうなんです。ぼくらの人生はほんとうに、じぶんへのネーミングが欠かせない。
ときには励まされ、ときには慰められながら、じぶんと並走してゆくのが名前、というわけですね。
・・・ということで、このコラムでは、子どもの名づけに代表されるような、
商標登録を前提とした企業名・商品名・サービス名、つまりいわゆる「ネーミング」の領域を超えた、
「名づけ」全般を扱うものにしたいなあ、と考えています。
広義の名づけの話から、いわゆるネーミングというものを逆照射してみる。
そうすると、また新しい手法や、動きのある時代感覚が見えてくるかも知れない・・・
そんなつもりで、始めることとしましょう。
日本ネーミング協会 理事
コピーライター